「車の売却に関わる税金は?」
「税金の支払いが必要になるケースは?」
「確定申告は必要?」
この記事はこんな疑問をお持ちの方に向けて書いています。
車を売る際、税金が発生するケースは基本的にありません。しかし売却の利益が大きい場合や、使用用途によっては税金が発生する可能性があります。
税金に注意せず車を売ってしまうと、場合によっては予期せぬ出費に繋がってしまいます。そんな不測の事態にならないためにも、車を売る時にかかる税金について理解しておくことが大切です。
税金がかかるケース・タイミングを把握して、予期せぬ出費を防ぎましょう。
車を売る時に税金は支払うの!?
冒頭で書きましたが、車を売る時に税金を支払うケースはほぼありません。
車の所有理由が通勤や通学、買い物などの用途である場合は非課税対象となりますが、レジャー用に使われている車は課税対象となります。
とはいえ売却金額が購入金額を上回った場合のみ課税されます。車の売却金額が購入金額を上回ることはごくまれなため、、納税が必要となることはほとんどありません。
車の売る時に関わる税金とは?
車の売る時に関わる税金は以下の2つです。
- 所得税
- 自動車税
それぞれ計算方法や納税タイミングが異なります。車を売る時に慌てて調べることがないよう、事前に内容を把握しておきましょう。
所得税
所得税は車を売る際に購入金額より売却金額が高い場合に支払いの可能性があります。
車や家具などの資産による所得は譲渡所得として扱われ、50万円の特別控除が適用されます。そのため売却金額と購入金額の差額が50万円以下であれば基本的に課税されません。
また車の所有期間によって課税額は異なり、5年を超えて所有していた場合は所得金額の2分の1が課税所得となります。
例えば300万円で購入した車を6年後に400万円で売った場合、所得税額は次の通りです。
所得税額の計算方法
50÷2=25万円
25万円×所得税率ー控除額=所得税額
所得税率は以下の通りで、控除額を差し引くことで所得税額を求めることができます。
出典:国税庁
譲渡所得(土地や建物、株式以外)である自動車売却は給与や事業所得と合算する総合課税です。そのため所得税額を計算する際は自身の所得と合わせて計算しましょう。
自動車税
自動車税は4月1日時点に車検証に記載されている所有者に支払い義務があります。
通常、納税書が5月上旬に発行され、5月末日に1年分をまとめて支払います。そのため4月1日時点で車を所有している場合は、売る予定があったとしても1年分の自動車税を支払わなければなりません。
普通車は還付あり
普通車は月割課税となっているため、年度中に新規登録や抹消登録(廃車)をした場合は課税または還付が行われます。
また自動車税は時期や排気量、エコカー減税、年式など、車によって課税額が異なります。売る前に自動車税のポイントを抑えておきましょう。
車を売る際に税金を支払うケース
車を売って利益が出た場合、所得税が課せられます。この所得税は「レジャー用の車」と「業務用の車」で支払う金額が変わってきます。
レジャー用の車を売却した場合
レジャー用の車を売却した場合は上で述べたような税金が発生します。
基本的にレジャー用の車で利益が出ることはレアですが、プレミア車などを売った場合は利益が出る可能性があります。利益が発生しそうな車を売る際は、保有期間による減税や控除などのポイントを覚えておきましょう。
業務用の車を売却した場合
配達や営業などの業務用に所有していた車を売る場合は、譲渡所得として課税対象となります。業務用車の売却はレジャー車と同様の保有期間による減税と控除の対象です。
しかし業務用車は減価償却費として事業経費を計上している場合があるため、計算方法が異なります。
業務用車を売った場合の譲渡所得は次の通りです。
業務用車を売った場合の譲渡所得の計算方法
減価償却費を含めずに譲渡所得を計算し、申告した場合はペナルティの対象となるので注意してください。
自動車税は車を売る時に還付される?
自動車税は車が廃車(抹消登録)される場合のみ還付を受けることができます。車を売る場合はおそらくその後も誰かに使われるため、還付を受けることはできません。
自動車税の還付は運輸支局または自動車検査登録事務所で手続き可能です。
自動車税は売る時に必ず確認
車を売却する際は、自動車税の返金の有無を確認しておきましょう。
また自動車税納付書が届く前の4月2日〜5月上旬頃に車を売る場合は、誰が支払うか、支払い方法などを買取店と事前に決めておくことが必要です。
返金の有無は買取店によるので、事前に確認しておきましょう。
車を売る際の税金に関する注意点
注意点は下記の2つです。
- 軽自動車は還付がない
- 個人売買はトラブルになりやすい
軽自動車は還付がない
自動車税が月割で還付される制度は普通車だけです。軽自動車には還付の仕組みがないので、1年の途中で手放した場合も1年分の税金は全て4月1日時点の所有者が負担することになります。
「少しでもお得に売りたい」と考えるなら、自動車税が課せられる直前の2〜3月のタイミングで手放すのがおすすめです。
個人売買はトラブルになりやすい
車買取業者に車を売る場合は取引に慣れているため税金に関する問題は起こりにくいです。
しかし個人売買はこれらの知識がないことが多く、トラブルに発展する可能性が高いです。
それぞれの負担の取り決めをしっかり決めておかないと余計はお金を払うという事態になる可能性もあります。そのため個人売買はあまりおすすめしません。
車を売る時のその他のよくあるトラブルについては下記を参考にしてください。
≫車売却でのトラブルについて
車を売った場合、確定申告は必要?
業務やレジャー用を問わず、車を売って利益が発生しなれければ確定申告は不要です。
通勤や買い物を目的とした車は非課税対象のため、大きな利益が出たとしても確定申告は不要です。
個人事業主は車を売ると節税ができる
個人事業主の場合は、確定申告の方法で節税することができます。ポイントは下記の通りです。
【節税ポイント】
・減価償却の累計額(帳簿上の減価償却費の合計)
・売る時の価格(買取・下取時、実際に売れた価格)
まずはその車の経過年数に応じた帳簿上での現在の価値を求めます。
長年乗れば乗るほど、その車の帳簿価格は下がっていきます。
次は個人事業主の確定申告で必要となる「売却損益」を求めます。
利益が出る場合
例えば帳簿価格が40万円の車が50万円で売れたケースを考えていきます。
この場合、売却利益は10万円の売却利益が出ですが、特別控除50万円があるため計上は0円で、課税はされません。
損失が出る場合
続いて帳簿価格が40万円の車が20万円で売れた場合を考えます。
売却利益はマイナス20万円です。この場合、確定申告の税額を減らすことができます。
車が安くなった場合には特に、正しい申告をすることでお得になります。
個人事業主の方で「もう古い車だから、計上するだけ損」と思っている方はぜひ参考にしてみてください。
まとめ:車を売る際、税金は基本的にかからない
今回は車を売る際の税金の種類と支払うケースを紹介しました。車を売る時のポイントは以下の4点です。
- 車を売って税金がかかるケースはほぼない
- 通勤や通学に利用する車は税金がかからない
- レジャー用の車で利益が出る場合は注意
- 個人事業主は得するケースがある
車の売却は、使用用途や保有期間によって課税の有無や金額が大きく異なります。
特にプレミア車など、大きな利益となる可能性がある車をお持ちの方は、税金を考慮して計画的に売るようにしましょう。