【車の「トランスミッション」とは!?】意味や種類、オイルの交換についても解説

みなさんは車の「トランスミッション」という言葉をご存知でしょうか。

聞いたことはあるけど具体的にどこを指し、何の役割か知らない方も多いのではないでしょうか。

車は発進時や坂道を上る時は回す力(トルク)を必要とし、反対に高速走行時にはスピードを保つために回転数が必要です。その際に必要になるのが「トランスミッション」です。

今回はトランスミッションについて意味や種類、オイルの交換について見ていきます。

トランスミッションとは?

トランスミッションは別名「変速機」とも呼ばれます。エンジンの出力軸とタイヤを回転させる駆動軸(シャフト)の間にあります。

通常の車は減速比の異なる歯車の組み合わせ、CVT車ではプーリー(滑車)とベルトの組み合わせを指します。これら全体をトランスミッションと言います。

トランスミッションはトルクと回転速度を変化させる装置

トランスミッションはエンジンの動力を適切なトルクと回転速度に変化させます。

トランスミッションはエンジンの力を補助

タイヤの駆動軸にいきなりエンジン出力を加えると、タイヤを回転させる力が出せずにエンストします。

なのでエンジンと駆動軸の間にトランスミッションを設置してトルクをしっかり確保します。

車の速度に合わせて歯車を変化

トランスミッションは、エンジン出力軸の歯車の噛み合わせで回転数を変えています。

車の発進時には速度は低いもの、大きな力(トルク)を引き出して車を動かします。

車の速度が高速になるにつれて小さな歯車に変換(変速)し、最高段(トップギア)ではエンジンの出力軸と直結させます。

自転車の「ギア」に似ている

車のトランスミッションは自転車の「ギア」に近い働きをしています。

自転車のこぎ出しや坂道は軽いギア、スピードを出したい時は重いギアへギアチェンジしますよね。トランスミッションもこの「ギアチェンジ」とほとんど同じ役割を持ちます。

トランスミッションの種類

変速の機構が手動か自動かによって、下記の2つに分けられます。

ATはさらにいくつかの方式に分けられます。

ミッションオイルの交換

トランスミッションの内部はギアが複雑に配置されているため、オイル(ミッションオイル)が必要不可欠です。、オイル(ミッションオイル)によってギアの摩擦を少なくし、ギアがなめらかに動くようにしています。

ミッションオイルには種類があり、代表的なものは下記の3つです。

  • MT車のマニュアルトランスミッションフルード(MTF)
  • AT車のトランスミッションフルード(ATF)
  • 4WD車のトランスファーオイル

車の構造によってオイルも異なります。

ミッションオイルの交換、交換期間の目安は?

トランスミッションオイルはエンジンオイルと異なり、トランスミッションケース内にあるため、それほど汚れたり劣化したりするものではありません。

車の【エンジンオイル】についてはこちら。
【エンジンオイル交換は必要!?】オイル交換に必要な費用や交換周期・依頼先について

とはいえ長期期間車を使用しているとギアの金属粉が溜まるなど、経年劣化します。

交換期間目安はメーカーによって異なる

交換期間についてはメーカーによって交換推奨時期が異なります。

メーカーによっては無交換を推奨

無交換を推奨しているメーカーもあるので、もし心配な方はディーラーや整備工場で相談してみましょう。

トランスミッションの注意点

オートマチックの場合、システムにトラブルがあるとトランスミッションの警告灯ランプが点灯します。

変速がうまくいかない際に点灯するのが一般的です。

ランプが点灯した際の対応

ランプが点灯したら急発進・急加速を避け、安全な場所に車を停車してください。

車を停車したらディーラーや整備工場、自動車保険のロードサービスなどに連絡しましょう。

ハイブリッド車や電気自動車の変速機は?

トランスミッションは車にとって非常に重要な役割を持ちますが、近年、急速に進む電動化でトランスミッションはどうなっていくのでしょうか。

トランスミッションの有無

下記がトランスミッションの有無です。

  • ガソリン車:有
  • ハイブリッド車:有(一部無)
  • 電気自動車:有

上記の通りでハイブリッド車にトランスミッションはありますが、電気自動車にはありません。

ハイブリッド車は3パターンある

ハイブリッド車のモーターとエンジンの出力を切り替える動力伝達方式には、下記の3種類あります。

・パラレル方式
 →トランスミッション有
・シリーズ・パラレル方式
 →トランスミッション無
・シリーズ方式
 →トランスミッション無

多くのハイブリッド車はパラレル式を採用していますが、一部はシリーズ方式やシリーズ・パラレル方式を採用しています。

プリウスはシリーズ・パラレル方式
ハイブリッド車のパイオニアであるトヨタ:プリウスはシリーズ・パラレル式と呼ばれる独特の方式を採用しています。そのためプリウスにトランスミッション(変速機)はありません。
日産「ノート」などはシリーズ方式

また日産「ノート」などはシリーズ方式で、モーターの駆動力で走行するため、変速機は備えていません。

このように駆動力の主体がエンジンではなくモーターで駆動する電気自動車の普及が進んでいます。そのため変速機の役割、環境変化が起きています。

まとめ

トランスミッションはガソリン車にとって必要不可欠な装備です。

近年では、ハイブリッド車や電気自動車の普及が進んでいます。そのため全ての車に搭載されなくなってきました。

とはいえ、まだまだガソリン車やトランスミッションが必要なハイブリッド車は多いです。

自身の車がトランスミッション搭載車の場合は、定期メンテナンスなどでしっかりとオイルのチェックなどをしてもらうようにしましょう。

【車の「トランスミッション」とは!?】意味や種類、オイルの交換についても解説
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