ハザードランプとは駐車するときや故障した際など、周囲に車の動きを事前に知らせるための安全装置です。
通常「ハザードランプ」とは言わず「ハザード」と略すことが多いです。
道路交通法ではハザードランプの使用に関する義務が定められており、ハザードランプは正しく使用する必要があります。
また、ハザードランプは、「サンキューハザード」のように、本来の目的とは違った目的で使用されていることも多々あります。
ハザードランプの誤った使い方で事故を起こさないためにも、ハザードランプの正しい意味・使い方についてみていきます。
ハザードランプとは?
ハザードランプは車が駐停車するときをはじめ、さまざまなシーンで使用され、なかにはローカルルール的な使用方法も見受けられます。
ローカルルールが正しいルールと間違って理解している方も多くみられます。
まずはハザードランプとは何か、そして道路交通法で定められたハザードランプの使用方法について。
ハザードランプの意味
ハザードランプの正式名称は「非常点滅表示灯」といいます。
ハザードランプは英語で「危険」という意味があり、車が駐停車などをする際に周りに知らせ、事故を回避する目的があります。
ですのでハザードランプを点滅させる際は、周囲に気付いてもらえるよう少し早めに点滅させて良いです。
ハザードランプの位置
ハザードランプは車の前後左右にあるランプで、ウインカーと同じランプです。
ウインカーと同じライトなので色はオレンジ色です。
ウインカーは左折するときは左のみ、右折するときは右のみが点滅するのに対して、ハザードランプスイッチを押すと前後左右すべてのランプが点滅します。
室内のスイッチは、運転席と助手席の間にあることがほとんどです。
運転手がスイッチを押せない状態になっても、助手席の人が代わりに操作できるようにするためといわれています。
また、非常時に使うスイッチなので、赤いスイッチや、夜間に赤く光るタイプが多いです。
ハザードランプはいつ使うのか?
ハザードランプを使う場面は、道路交通法で義務づれられた場合以外にもいくつかあります。
道路交通法で義務つけられた場合も含めて、ハザードランプがどのような場面で使用されるのかみていきます。
ハザードランプは2つのシーンで使用することが義務付けられています。
・道幅が5.5メートル以上の道路に停車、または駐車するとき
・通園・通学バスが停車し幼児や小学生が乗降しているとき
夜間駐停車するとき
夜間、5.5メートル以上の道路に停車、駐車するときはハザードランプを点滅させることが義務付けられています。
昼間でもハザードランプをつける方がほとんどですが、昼間にハザードランプを付ける義務はありません。
ただし、周囲の車や歩行者に知らせるためにも昼夜関係なくハザードランプは付けるとよいでしょう。
通園・通学バスが停車し幼児や小学生が乗降しているとき
通園・通学バスは、幼児・小学生が乗降している停車中に、ハザードランプを点滅させることが義務付けられています。
また、義務ではありませんが、下記のシーンでもハザードランプを使用します。
・故障などで道路に駐車するとき
・レッカーで車が牽引(けん引)されるとき
・駐車場で駐車するとき
・高速道路で前方が渋滞しているとき
故障などで道路に停車するとき
車が故障などで停車してなくてはならないとき、ハザードランプをつけて道路端に停車し、後続車に危険を知らせます。
レッカーで車が牽引(けん引)されるとき
車が故障しレッカーで牽引されるとき、牽引される車はハザードランプをつけ、後続車に危険を知らせます。
駐車場で駐車するとき
ショッピングモールやサービスエリアなどの駐車場に停めるときにハザードランプを使用することがよくあります。
後続車や歩行者など周囲に「ここに駐車します、駐車しているところです」という意思表示の意味でハザードランプを使用します。
高速道路など走行中、前方が渋滞しているとき
ご存知の方も多いと思いますが、高速道路などで前方が渋滞している際に、ハザードを付けて後続車に知らせます。
後続車に自車が減速すること、前方が渋滞していることを知らせることが目的です。
サンキューハザードとは?
合流時や車線変更時などに道を譲ってくれた車に対し、ハザードランプを2〜3回点滅させて「ありがとう」の意思表示することを「サンキューハザード」といいます。
サンキューハザードは運転手間のコミュニケーション方法で、自然に広まった行為といわれていますが、ハザードランプの本来の使用目的とは少し異なっています。
地域や状況によって違う意味で取られることもあり、事故の原因になる可能性もあるので「サンキューハザード」の使用は注意が必要です。
サンキューハザードなど本来の使用目的以外でハザードランプを使用するのは控え、周囲の車に感謝を伝えたいときは可能であれば、手や会釈、アイコタクトなどで行うと良いでしょう。
ハザードランプ使用の注意点
ハザードランプは使用頻度が低く、ついうっかりつけっぱなしにしてしまうことがあります。
駐車場などでもつけっぱなしの車がよく見受けられます。
しかしハザードランプをつけっぱなしにしておくとバッテリーが上がったり、事故の原因になったりします。
ハザードランプの消し忘れに注意
昼間なのに、駐車上でハザードランプがつけっぱなしの車に遭遇したことはないでしょうか。
おそらく、駐車する際にハザードランプをつけて、その後消し忘れてそのままになっている状態です。
ハザードランプは非常用の装置なので、エンジンを切っても、ハザードランプのスイッチを切らないと消えません。
ライトはつきっぱなしになります。
また、ウインカーと違い、ハザードランプはつけても音がしないため、注意していない場合、消し忘れに気づかないこともあります。
ハザードランプを使用したときは必ず消したかどうかを確認しましょう。
「エンジンを切る際は必ずハザードランプを確認する」くらいの意識でも良いかもしれません。
消し忘れるとバッテリーがあがる!
バッテリー上がりの原因で最も多いのがライト類の消し忘れです。
バッテリーはエンジンがかかっていると充電されますが、エンジンを止めた状態でライト類をつけっぱなしにしているとバッテリー内の電気はどんどん消費してしまいます。
通常は5~10時間、短い場合は2時間程度でバッテリーが上がってしまいます。
バッテリーが上がらないためにも、ハザードランプの消し忘れに注意しましょう。
ハザードランプのつけっぱなしが事故の原因になることも
ハザードランプをつけっぱなしにして車を走行すると事故の原因になることもあります。
たとえば、
駐車場でハザードをつけている車がいた場合に他車は「駐車するだろう」と思い、横を通り抜けようとしたら急にその車が発進し出して衝突
なんてことも考えられます。
事故を防ぐためにも、ハザードランプは必要なときにだけ使用し、不要なときは絶対につけないようにしましょう。
また、こまめに付いていないか確認すると良いでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ハザードランプは運転中さまざまな場面で使用します。
上でも述べましたが、誤った使い方をしてしまうと事故の原因にもなりかねません。
ハザードランプを使う際は、必要な状況で適切な使い方をすることが重要です。
正しい知識を持って使用するようにしましょう。