車を購入する際の方法の一つとして、残クレがあります。
残クレにはメリット・デメリットがあるため、残クレで車を購入する際はしっかりと理解した上で購入する必要があります。
今回は、残クレに関する基本知識とメリット・デメリットについてみていきます。
残クレとは?
残クレとは、「残価設定ローン」や「残価設定クレジット」のことをいいます。
通常の方法で買う場合よりも支払い負担が少なくして新車を購入できる支払い方法です。
残クレの仕組み
残クレは車両価格の30%〜50%程度を下取り時の買取保証額、つまり「残価」として設定し、残価を除いた50%〜70%程度の金額を返済する支払い方法です。
返済期間は3〜5年が一般的で、5年間の60回払いなら59回に分けて残価以外の部分を毎月支払い、60回目の最終支払額で残価を負担します。
59回まで支払えば残価は下取りっで相殺できるため、実際に負担する車の購入費用は車両価格の50%〜70%程度と毎月の利息だけです。
支払い期間の終了時には車をどうするか3つの選択肢から選ぶことができます。
- 新車に乗り換える
- 残価を支払って乗り続ける
- ディーラーに返却
残クレとカーリースの違い
両者の大きな違いは、税金や車検代を支払う必要があるかどうかです。
カーリースで使用する車はレンタル品で所有権はカーリースを提供している会社に帰属します。
ほとんどの場合カーリースの利用料金や税金や車検代が含まれているため、利用者は定額以外支払う必要はありません。
残クレでは車の所有権は自分にあり、税金や車検代は自己負担です。
残クレのメリット
残クレを利用した際のメリットは3つあります。
- 毎月の支払いを抑えられる
- 車の乗り換えが3〜5年でできる
- 残価(下取り価格)が保証されている
毎月の支払いを抑えられる
残クレを利用すると、月々の支払額が安くなるのがメリットです。
購入段階で、事前に車体価格から残価(下取り価格)が引かれているため、月々の支払額が抑えられます。
ローンで車を購入する際は、頭金としてある程度まとまった金額を支払わないと毎月の返済額が大きくなってしまいます。
そうでなければ、長期間のローンを組んで月々の支払額を減らすといった形になる可能性もあり、どちらを選んでも金銭的にも大きな負担がかかります。
車の乗り換えが3〜5年でできる
定期的に違う車に乗り換えたい方や、ライフステージの変化が起こりそうな方にとっても残クレは非常に利用しやすい仕組みです。
残クレを利用すると、ローンの返済が終了する3年〜5年の期間ごとに車の乗り換えをするか決めることができます。
残価(下取り価格)が保証されている
新車購入で購入したとしても年数が経つと車両価格はどんどん落ちてくるため、1回目の車検の前に売却をして、新しい車に乗り換える方もいます。
購入から3年経つと、価値がかなり落ちてしまうことや5年経つとほぼ価値がなくなってしまう車もあるため、残価が設定されている残クレであれば安心して車の購入ができます。
残クレのデメリット
残クレのメリットの部分を見ているとすごく良いものに見えるかもしれませんが、デメリットも存在します。
デメリットもしっかり確認した上で残クレを利用しなければ、実は損してしまうこともあります。
残クレのデメリットは4点あります。
- 利息が高い
- 車のカスタマイズができない
- 事故や傷は追加料金が発生する
- 月間走行距離の制限がある
利息が高い
結局のところ、残クレもローンなので利息が取られます。
新車をローンで購入する価格よりも安い金額に対して、残クレでローンを組んでいるので月々の支払いは少なくなりますが、期間を延ばせば延ばすほどしっかりと利息は取られる形になります。
金利に関しても自動車メーカーごとに違ったりするため、残クレで車の購入をする際は金利がいくらなのかをしっかりチェックしてから購入しましょう。
車のカスタマイズができない
残クレで購入した車は返却を前提としている部分もあるため、カスタマイズすることはできません。
もし、カスタマイズしたとしても、返却する際には、購入した際の状態と同じにする必要があります。
そのため、車をカスタマイズしたい方は残クレよりもローンを組んで車購入がおすすめです。
事故や傷は追加料金が発生する
残クレでは残価(下取り価格)がありますが、それはあくまで綺麗な状態で乗り続けた場合の金額です。
乗っている期間で傷やへこみがあったりした場合は車の査定額が下がってしまうため残価分に相当する追加の金額を支払わなければならない場合もあります。
仮に事故で廃車になったとしてもローンは残るため注意が必要です。
月間走行距離の制限がある
残クレ購入では走行距離の月間制限があります。
月間走行距離は、自動車メーカーごとで決められています。
車の使用頻度が高い場合は、残クレあまりおすすめできません。
残クレに向いている人は?
残クレ利用に向いている方
下記に該当する方は残クレに向いています。
- 短いサイクルで車を乗り換える方
- 決まったメーカーの車に乗り続ける方
- 購入時の資金が足りない方
一つでも当てはまれば残クレに向いています。
短いサイクルで車を乗り換える方
「3年後に新しい車に乗り換える」など短期のサイクルで買い換える方にもおすすめです。
購入して価値が下がらないうちに下取りにだすことを繰り返すことで、ローン支払額を抑えながら、次々と新車に乗り換え続けることもできます。
決まったメーカーの車に乗り続ける方
支払いが完了していない状態で他のメーカーの車に乗り換える場合は、一括返済が求められる点は注意が必要です。
ですが、同じメーカーの車に乗り換えると決めているのであればこれはデメリットではありません。
スムーズに新車に乗り換えられるので便利です。
購入時の資金が足りない方
残クレなら頭金不要で新車購入が可能です。
新車価格から残価分を差し引き、月々支払いながら新車に乗ることができます。
残クレが向いてない方
下記に該当する方は残クレに向いていません。
- 車でよく遠出する方
- 車の運転に自信がない方
- リセールバリューの高い車種を検討している方
車でよく遠出する方
残クレの車には月間走行距離の制限があるため、あまり長距離走行はできません。
ドライブが趣味の方や車で旅行に行く機会が多い方は、月間走行距離をチェックして超過しないように気をつけなればいけません。
車の運転に自信がない方
返済期間終了後に車を引き渡す場合、車に目立つ損壊がないか確認があります。
日常的な範囲の傷であれば問題ありませんが、車庫入れなどでぶつけたへこみや目立つ傷を付けていると下取り額が下がり、下がった分を支払わなければいけません。
リセールバリューの高い車種を検討している方
リセールバリューの高い車種を検討している場合は、残クレで車を購入すると損をすることがあります。
人気車種は高値で取引される傾向があるため、買取に出した方が高値の査定がつくこともあります。
とくにSUVやミニバンなど人気カラー・オプションがついている車を検討している方には、残クレはおまりおすすめではありません。
残クレの一括返済や借り換えは可能?
契約にもよりますが、基本的に残クレは途中解約が可能です。
ただし、途中解約には一括返済が必要になります。
また、一括返済による途中解約の場合、違約金が発生することもあるため注意が必要です。
まとめ
手元にお金がなくて、月々の支払いも抑えたい方や頻繁に新しい車に乗り換えたい方に対しては、残クレはかなり魅力的な仕組みです。
しかし、車の使用頻度が高かったり、自分でカスタマイズしたい方、資金に余裕がある方からすると残クレはイマイチな点がいくつかあります。
残クレのメリット・デメリットをしっかり理解した上で支払い方法の検討をするようにしましょう。