「車のタイヤ交換は自分でできるの?」
「交換の際、必要な道具は?」
「実際のやり方の手順は?」
この記事はそんな疑問をお持ちの方に向けて書いています。
まず結論から言うとタイヤ交換は自分で可能です。
一見、難しそうに見えるかもしれませんが、しっかりとタイヤ交換の注意点を理解し、正しい手順を踏めば誰でもできます。
普段、冬はスタッドレスタイヤに変える方は、ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへ、またその反対も含め最低年間2回はタイヤ交換を行いまよね。タイヤ交換は「ディーラーやカー用品店などに依頼する場合」と「自分で行う場合」の2つがありますが、みなさんはどちらでタイヤ交換をしてますか?
自分でタイヤ交換をすることで、タイヤ交換の工賃を浮かせることができます。
そこで今回は、タイヤ交換を自分で行う際の注意点や必要な道具、一連の手順を詳しく解説します。
車のタイヤは自分で交換できる!?
先ほども書きましたが、「タイヤ交換は自分で可能!」です。
ただし、すでにホイールがはまっているタイヤの交換はできますが、タイヤをホイールから外して新たに組み込む「組み替え」作業は自分で行うことはできません。(普通の人には難しいです。)つまり、タイヤのみが2つ(ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤ)あり、ホイールは1つの場合です。
その場合は、自分で交換することはできませんので、業者に依頼するようにしてください。
タイヤ交換を自分でやるメリット・デメリット
タイヤ交換を自分でするメリット・デメリットを紹介していきます。
メリット
タイヤ交換を自分でやるメリットは下記の4点です。
・緊急時にも対応できる
・好きな時に交換ができる
・運動になる
工賃がかからない
自分でタイヤ交換をする最大のメリットはタイヤ交換の工賃がかからないことです。タイヤ交換は1回(4本で)2,000~3,000円、高いと5,000円なんてこともあります。これが年間2回ですので、年5,000~10,000円かかります。
タイヤ交換を自分でやることでこの工賃を節約することができます。金額的にはそこまで高くありませんが、タイヤを交換するだけ年間10,000円かかるのは高い気がします。
緊急時にも対応できる
タイヤ交換を自分ですることができれば、タイヤのパンクやバーストなどの緊急時に対応できるというメリットもあります。
近年の車の多くはスペアタイヤが装着されず、パンク修理キッドが装備されるだけになりました。しかし、スペアタイヤがある車も残っています。
これらの車にタイヤトラブルが生じた際のひとつの方法が、自動車保険のロードサービスなどを利用して対応してもらう方法です。しかし、サービス到着には時間がかかり、真夏や真冬は特に到着待ち時間が辛いです。このとき自分でタイヤ交換できた方が楽に済みます。
また、保険サービスを利用した場合、次回更新時には保険料が上がるため、自分でタイヤ交換をすることで保険料が上がるの防ぐこともできます。
保険については下記のサービスを利用するとより安い保険で契約できる可能性があり、簡単に見積もりできるので、ぜひチェックにしてみてください。
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好きな時に交換ができる
これは意外とポイントです。
ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを交換する時期はカー用品店、ガソリンスタンドどこに依頼しても混みます。その際、「土日はすでに予約でいっぱいです。」と言われることが多々あります。タイヤ交換を予約して、予約の取れた時間にわざわざお店に持って行くのは割と面倒ですよね。
その点、自分でタイヤ交換をする場合は、時間を選びませんので、自分の好きなタイミングでタイヤ交換をすることができます。
運動になる
これはメリットかデメリットかわかりませんが、個人的にはメリットです。
タイヤ交換はなかなかの労力を使います。普段あまり運動しない分、タイヤを運んだり、ジャッキで車を上げるには力を使いますし、タイヤを4本替えるのは体力を使います。
車によりますが、小型車で30分、大型車で1時間程度かかりますので、良い運動になります。休日の朝イチにやると朝活になって気持ちがいいです。
デメリット
続いてデメリットは下記の3点です。
・汚れる
・体力を使う
時間がかかる
汚れる
これは人によってはかなり嫌かもしれません。
タイヤ交換は汚れますし、車やタイヤの汚れは油っぽくて頑固な汚れなので、洗っても落ちにくいです。タイヤ交換は汚れもの良い格好でやる必要あります。
体力を使う
メリットで「運動になる」と書きましたが、逆に言うと疲れます。
タイヤは重いですし、ジャッキをあげるのものそれなりに体力を使います。軽自動車のタイヤでも1本5~6kgあり、そこにホイールの重量が加わります。いわゆるSUVと呼ばれる車種のタイヤになると、成人男性でも持ち上げるのが簡単ではありません。
タイヤを保管場所から作業場所まで運ぶのも、意外と重労働です。
また、タイヤ交換の作業は腰を低くした状態で行うため、腰痛持ちの人にとっては大きな負担になります。自分でタイヤ交換をするかどうかを判断するときは、この点も十分承知の上で作業する必要があります。
タイヤ交換を自分でやる際の注意点
ここでタイヤ交換する際の注意点を挙げておきます。
・正しいタイヤ交換手順の知識が必要
それぞれのな注意点を詳しく見ていきます。
ジャッキアップ中は十分注意
タイヤ交換時は車のボディをジャッキアップすることになりますが、1ヶ所のジャッキアップポイントで車全体を支えているため、ジャッキが外れないよう十分注意しなければなりません。
タイヤを外した状態でジャッキが外れると、最悪の場合、作業中に車の下敷きになり、大変危険です。ジャッキアップしている状態は極力車の下に入らないようにしましょう。
特に車載のジャッキは緊急時の使用が想定されているため、通常のタイヤ交換で使用するのはあまり好ましくありません。カー用品店で売られている「油圧式のフロアジャッキ」使うと安定しますので、金銭的に余裕がある方は検討してください。
正しいタイヤ交換手順の知識が必要
タイヤ交換は間違った手順で行うと、タイヤの取り付けが悪く、上手く走行できなかったり、ナットが緩んだります。
4~6つあるナットが1つ緩んだだけでステアリングがガタつき、まともに走行できなくなります。ナットが外れた場合はタイヤが外れることもあり、操作不能になって事故を起こす可能性もあります。
自分でタイヤ交換を行う際は、正しいタイヤ交換の手順を理解した上で作業をするようにしてください。
タイヤ交換に必要な工具は?
最低限必要な工具は下記の4つです。
・レンチ
・トルクレンチ
・軍手
初めから車に積んである工具を使うこともできますが、車種によっては別途購入する必要がある工具もあります。
ここでは、それぞれどんな機能があるのかを含め、詳細を解説していきます。
ジャッキ
タイヤ交換はタイヤを浮いた状態でしなければならないため、ボディを持ち上げるジャッキが必要です。車載のジャッキは車種ごと指定されたポイントにジャッキをあて、クランクを使い手動でボディを持ち上げます。
しかし、クランクを回すのは結構な力が必要で、上げたジャッキも不安定です。
そこで、先ほども書きましたが「油圧式のフロアジャッキ」を使用すると楽に作業できます。油圧式のフロアジャッキは幅広い価格帯のものがありますが、カー用品店には数千円で購入できるものが揃っています。
下記は少し高いですが、頑丈で安心感があります。
レンチ
タイヤ交換時はホイールナットを外さなければならないため、ナットを回すレンチが必要です。
車載レンチのレバーはL字型をしているものが多いですが、タイヤ交換用に販売されているクロスレンチだとナットを回す際に力が入りやすくなります。また、クロスレンチはサイズ違いのナットサイズに対応するため、レンチが搭載されていない車両に使うことも可能です。
トルクレンチ
意外と知られていませんが、ナットを締め付けるのにトルクレンチは絶対に必要な道具です。ホイールナットを締め付ける力が弱すぎると緩みの原因になりますが、強すぎるとボルトやナットを破損してしまいます。
ナットは一定のトルクで締め付ける必要があるため、トルクレンチを使います。トルクレンチを使うことによって適正な力でナットを締めることができます。
軍手
タイヤ交換を行うには軍手が必要です。
車のメンテナンスはオイルや泥の汚れが付きやすく、その中には石けんでは落ちにくいものもあります。また、パーツやその破片など鋭利なものに触れる場合もあり、ケガを予防するという観点からも軍手は必須です。
特に高価な軍手を用意する必要はなく、近くのホームセンターで売っているもので構いません。
できれば輪止めも
タイヤ交換の作業場所には車が動かないところを選ぶ必要がありますが、勝手に動く危険を少しでも抑えるためには輪止めも使いましょう。
輪止めはタイヤに添え、車が動かないように固定させるものとして使います。安全にタイヤ交換作業を進めるためには準備した方が良いです。タイヤ交換用の輪止めは、カー用品店などで価格1000円程度で販売されています。
もし準備できない場合は、大きめの石でも良いです。
タイヤ交換のやり方と作業手順
タイヤ交換に必要な工具や道具を揃えたら、次はいよいよタイヤの交換作業です。
手順としては下記の12項目です。
2.必要な工具、道具の準備
3.車が安定する場所を確保・車の固定
4.ホイールナットを緩める
5.ジャッキアップ
6.ホイールナットを外す
7.タイヤを取り外す
8.新しいタイヤを装着
9.ホイールナットを仮締め
10.ジャッキを下ろす
11.ホイールナットの本締め
12.試運転・タイヤの空気圧確認
おおよそこのような手順を踏みます。1~3と12は実際の作業というより確認です。4~11が実際に行うタイヤ交換の手順です。
それぞれ解説していきます。
1.取り替えるタイヤの状態チェック
タイヤ交換する際は、溝の深さやひび割れ、空気圧などをあらかじめ取り換えるタイヤの状態を確認しておきましょう。
タイヤの溝が1.6mmになるとスリップサインが出る状態となり、車検に通らなくなります。しかし、安全のことを考えた場合、最低でも溝は3mm程度の余裕は確保しておきましょう。
また、タイヤのゴムが劣化するとサイドウォールにひび割れが生じるため、パンクやバーストの危険性が高まります。タイヤに異変がある状態で走行するのはとても危険なため、その場合は交換でなくタイヤを買い替えなければいけません。
2.必要な工具、道具の準備
タイヤ交換を始める前に、先ほど紹介したジャッキやレンチといったタイヤ交換に必要な工具を準備しておきましょう。そうすることで、使うタイミングで取りに行く手間も省け、スムーズにタイヤ交換が行えます。
また、交換するタイヤは車のそばに置いておくと、その後の作業が楽になります。
3.車が安定する場所を確保・車の固定
タイヤ交換をする時は、車のボディを浮かせて持ち上げることになります。そのため、誤って車両が動かないようにしておかなければなりません。
ですので、車が動かずに安定する水平な作業場所をあらかじめ確保してから、タイヤ交換の作業を始めるようにしましょう。
車が置ける広さだけではなく、作業中はタイヤを転がして移動することもあるので、一定の広さも必要となります。
AT車はPレンジ、MT車は1速に入れ、サイドブレーキの確認をします。
また、タイヤに輪止めを置いて、安全面としても念には念を入れておくことが大切です。輪止めがない場合は大きめの石を探して、輪止め代わりにしてもよいです。
4.ホイールナットを緩める
ホイールナットを全箇所緩めます。
ここで注意したいのが、あくまで緩めるだけにしておくということです。そのため、完全に外さないようにしてください。
レンチで2周程度回して、緩めるのを止めておくのがおすすめです。
この際、ナットが5本あるホイールの場合は星印を書くような順序で、ナットが4本のホイールは縦横の順番で緩めるようにしてください。ナットをバランスよく緩めることでナットにもタイヤにも負荷がかかりにくいです。
また、一気に緩めるのではなく、2~3回に分けて緩めていきましょう。星印を2~3回描くイメージです。
5.ジャッキアップ
車種ごとに指定されているジャッキアップポイントを探し、そこにジャッキをあててジャッキアップします。
ポイントはフロントタイヤの少し後方とリアタイヤの少し前方に設定されていることが多いです。不安であれば、取説で確認するようにしてください。
持ち上げる高さは、タイヤが少し浮く程度です。上げる高さが足りないとタイヤをうまく脱着できず、ジャッキを上げすぎるとタイヤを持ち上げるのに不要な体力を使います。
6.ホイールナットを外す
ジャッキアップが終わったら、あらかじめ緩めておいたホイールナットを全て外します。
この際も先ほど同様、ナットが5本あるホイールの場合は星印を書くような順序で、ナットが4本のホイールは縦横の順番で緩めるようにしてください。こちらも、一気に緩めるのではなく、2~3回に分けて緩めていきましょう。
外したホイールナットは無くしやすいので、タイヤ交換後すぐにまとめておきましょう。
7.タイヤを取り外す
タイヤを取り外す際は、誤って足の上に落とさなよう慎重に行いましょう。
また、次回のタイヤ交換時にローテーションするために、そのタイヤがどの位置に取り付けられていたか、覚えて置くようにしましょう。外したタイヤに「右前」、「右後」、「左前」、「左後」などと、メモしておくと良いです。
8.新しいタイヤを装着
こちらもタイヤを取り外した時と同様、足の上に落とさなよう慎重に作業しましょう。
9.ホイールナットを仮締め
次にホイールナットの仮締めですが、取り外す時と同様、ナットが5本あるホイールの場合は星印を書くような順序で、ナットが4本のホイールは縦横の順番で締めるにしてください。こちらも、一気に締めるのではなく、2~3回に分けて締めていきましょう。
またこの時、タイヤを車体の方に押して、ホイールナットの緩みがないか確認するようにしましょう。緩みがある部分はタイヤを押して奥まで入れ、ナットを締めるようにしてください。
締め具合は、ホイールをナットを回していって、力を入れないと回らないくらいになるところでストップしてください。
10.ジャッキを降りす
仮締めが済んだらジャッキを下ろしてください。
ジャッキを下ろす際は、周囲に人がいないか、ものがないか確認してから下ろすようにしてください。
11.ホイールナットの本締め
車重がかかった状態で、ホイールナットの本締めをします。
締め付けるトルクは車種ごとに指定されていますが、車載レンチやクロスレンチでは正しいトルクで締められないため、必ずトルクレンチを使用してください。
この時もナットが5本あるホイールの場合は星印を書くような順序で、ナットが4本のホイールは縦横の順番で本締めをするとしっかり固定できます。
ここまでの作業を四輪繰り返せばタイヤ交換の作業は終了です。
12.試運転・タイヤの空気圧確認
作業後は必ずゆっくりと試運転をして、異音や違和感など異常がないか確認しましょう。近くにガソリンスタンドがある場合は、タイヤの空気圧も確認するようにしましょう。
ホイールナットは走行するうちに少しずつ緩むことがあるため、100km程度走行した後に再度締め具合を確認しておくとより安全です。
まとめ
- タイヤ交換は自分でもできる
- 交換作業前に、必要な工具や道具を準備
- 作業は正しいやり方・手順を踏む
今回はタイヤ交換の注意点や手順について解説しました。
タイヤを自分で交換することで、工賃の節約になりますし、自分の車に愛着も湧いてきます。やってみると意外と簡単で、朝活にはちょうど良い運動になります。
これから試しにやってみようと考えている方は、ぜひ挑戦してみてください。
万が一、やり方や手順に不安がある場合は無理に自分で作業せず、カー用品やガソリンスタンド、タイヤ専門店などに依頼するようにしてください。
また、下記のサイト(【TIREHOOD】 )からタイヤ購入することで、お近くの店舗でタイヤ交換がスムーズにできますので、ぜひ活用してみてください。
→タイヤ買うなら【タイヤフッド】
併せて、自身の車の【タイヤサイズ確認方法】については下記参照ください。
→【プラドのタイヤサイズは!?】タイヤサイズや製造年の確認方法を紹介!