「雪道に強い車の特徴は?」
「雪道に強いSUVは?」
「雪道走行で気をつけることは?」
この記事はこんな疑問をお持ちの方に向けて書いています。
SUVを探す際、せっかくなら雪道に強い車を購入したいですよね。SUVと言っても雪道に強い車からあまり得意でない車までさまざまです。
冬の雪道は非常に滑りやすく、時には「4WD+スタッドレスタイヤ」で滑ることもあります。そのため「雪道に強い車」を選ぶことも重要です。
そこで今回は雪道に強いSUVランキングTOP10を紹介します。
雪道に強いSUVを探している方はぜひ参考にしてください。
雪道に強い車の特徴
雪道や凍結路はスリップしやすいため、車の運転には細心の注意が必要です。車の装備や車体によって雪道の走行性能も異なります。
まずはどのような車が雪道に強いのか見ていきます。駆動方式や車体形状等に注目することで、雪道に強い車の特徴が見えてきます。
雪道に強い駆動方式
雪道の車の走りやすさは駆動方式によって大きく変わります。
車の駆動方式は基本的に以下の3つです。
・FF(前輪駆動)
・FR(後輪駆動)
上の3方式では路面への駆動力のかかり方が異なり、雪道での走行性に差が出ます。
雪道に適するのは4WD
最も雪道に強い駆動方式は、4WDです。
4WD車はエンジンやモーターのが四輪に分散されるため、雪道でも効率的に力強い走りを実現します。
またエンジンブレーキが四輪にかかるため、滑りやすい下り坂でも安全に速度を落として走行できます。
FFは雪道に強いが注意が必要
次に雪道に強い駆動方式はFFです。FF車はエンジンの重量が駆動輪に乗るため路面に動力が伝わりやすく、雪道でも高いトラクション(けん引力)が出ます。
とはいえFF車は前輪が滑ると操作不能になるため、雪道ではハンドル操作に注意が必要です。
FRは雪道に弱い
4WDやFFと比べて、FRは雪道に弱いです。FR車はエンジンのような重量物が駆動輪の上にないため、路面に動力が伝わりにくいため、雪道でアクセルを強く踏むと後輪が簡単にスリップします。
滑った後のコントロールはFF車より行いやすいですが、基本的に雪道走行は向きません。トヨタ:ハイエースが良い例です。
雪道に強い車体設計
車体の設計によって雪道での走行性能は大きく変わります。下記の3つが大きく影響する要素です。
- 最低地上高
- 車体重量
- 寒冷地仕様などのオプション
それぞれ見ていきます。
最低地上高は高い方が有利
最低地上高の高い車の方が悪路に強く、雪道でも比較的安全に走行できます。そのためSUVは雪道に強い車が多いです。
車体の底が高いため、積雪で大きな轍(わだち)ができている道路でも走行が可能です。
標準的な車の最低地上高は140~150mm程度です。
SUVは最低地上高が高く、180mm以上を確保しているモデルが多いです。
重い車と軽い車どっちが雪道に強い?
車体重量で雪道の走りやすさは大きく変わります。結論は下記です。
・下り坂:重い車<軽い車
・直進:重い車>軽い車
・カーブ:重い車<軽い車
重い車は重量でタイヤのグリップ力があるため雪道でも発進しやすく、かつ安定した直進走行ができます。
反対に走行中は慣性の力が車体に強くかかるため、カーブやブレーキ時にスリップしやすく、雪道で滑り出すとなかなか止まりません。
これに対して軽い車は走行中に生じる慣性の力が弱いため、雪道でも曲がりやすく、ブレーキも比較的安全にかけることができます。
ただしタイヤのグリップ力が弱く、雪道では発進時のスリップや直進安定性が悪いため注意が必要です。
両者に一長一短ありますが、運転経験が浅い方は事故につながるようなデメリットの少ない軽い車が適しています。
とはいえ車選びでは重量だけでなく、駆動方式等も考慮しなければなりません。軽い2WD車よりも多少重い4WD車の方が雪道での安全性は高いです。
雪道や寒冷地に特化した装備
雪道を走行する場合は、降雪地域を快適に運転できる装備(寒冷地仕様等)を搭載した車種がおすすめです。
「寒冷地仕様」がオプションである場合は搭載するようにしましょう。
寒冷地仕様はバッテリーの容量が大きく、ドアミラーにヒーターが内臓されており凍結防止に役立つなど、快適で便利な装備が搭載されています。
雪道に強い車おすすめランキングTOP10
それでは雪道に強い車のランキングを見ていきます。第10位から順に紹介します。
【第10位】三菱:アウトランダー
駆動方式 | FF フルタイム4WD |
最低地上高(mm) | 195~200 |
車両重量(kg) | 1,500~2,110 |
三菱:アウトランダーは三菱の人気SUVです。雪の積もった上り坂でも四輪にトルクが最適配分されるため、雪道を力強く走行することが可能です。
また下り坂でも6段階に変えられる回生ブレーキが四輪に働くため、フットブレーキに頼らずに安定した減速が可能です。コーナリング時の旋回はSUVと思えないほど狙ったライン取りができます。
さらに「SNOW」モードを選ぶことで、圧雪路以上に滑りやすいアイスバーンも安定して走行できます。
【第9位】トヨタ:ランドクルーザープラド
出典:プラドホームページ
駆動方式 | フルタイム4WD |
最低地上高(mm) | 220 |
車両重量(kg) | 2,050~2,320 |
トヨタ:ランドクルーザープラドは高い悪路走破性を誇る本格派SUVです。
常に四輪駆動のフルタイム4WDで、最上位グレード「TZ-G」のオプションには悪路走破に役立つ機能が搭載されています。
深雪路では悪路用の走行モードを選べる「マルチテレインセレクト」、スタック時にはハンドル操作だけで低速走行できる「クロールコントロール」があります。
プラドは平坦な道や上り坂での雪道走破性は抜群に良いですが、車重があるため、下りの走行時ごくまれに滑ることがあるため、この順位としました。
プラドのおすすめスタッドレスタイヤはこちら。
→【プラドのスタッドレスタイヤおすすめ7選】「本格派」と「とにかく安価」に分けて紹介!
【第8位】ジープ:レネゲード
出典:レネゲードホームページ
駆動方式 | FF フルタイム4WD(スタンバイ式) 電気式4WD(ハイブリッド車) |
最低地上高(mm) | 170~210 |
車両重量(kg) | 1,410~1,860 |
ジープ:レネゲードはコンパクトSUVです。
4WD車には走行機能を制御する「セレクテレインシステム」が搭載されています。
雪道に適する「SNOW」など5つの走行モードが選べるほか、ギアを1速に固定する「アクティブドライブロー」などがあり、コンパクトながら悪路走破性が非常に高いです。
【第7位】トヨタ:ハリアー
出典:ハリアーホームページ
駆動方式 | FF フルタイム4WD(スタンバイ式) 電気式4WD(ハイブリッド車) |
最低地上高(mm) | 190~195 |
車両重量(kg) | 1,530~1,750 |
トヨタ:ハリアーはおしゃれで高級感のあるクロスオーバーSUVです。
ガソリン車には滑りやすい路面で最適なトルクを後輪に配分する「ダイナミックトルクコントロール4WD」が、ハイブリッド車には加速時や雪道などの滑りやすい路面でスムーズに4WDに切り替える「E-four」が搭載されています。
2020年にフルモデルチェンジした現行80系ハリアーは多くの機能が搭載され、雪道でも安定した走りを実現します。
【第6位】スズキ:ジムニー
出典:ジムニーホームページ
駆動方式 | パートタイム4WD |
最低地上高(mm) | 205(ジムニー) 210(ジムニーシエラ) |
車両重量(kg) | 1,030~1,040(ジムニー) 1,070~1,090(ジムニーシエラ) |
軽自動車の雪道と言ったら「スズキ:ジムニー」と言っても過言ではないほど、雪道に強いスズキのSUVです。
手動で2WDと4WDを切り替えるパートタイム4WDを採用しています。
また低速走行モードに切り替えできる副変速機を搭載しており、凍結した坂道や深雪路では低速ギア「4L」で通常より大きな駆動力を発生させます。
ジムニーシエラは、車幅がワイドで走行安定性に優れています。通常のジムニーよりジムニーシエラの方がより安定しています。
【第5位】トヨタ:RAV4
出典:RAV4ホームページ
駆動方式 | FF フルタイム4WD(スタンバイ式) 電気式4WD(ハイブリッド車) |
最低地上高(mm) | 190~200 |
車両重量(kg) | 1,500~1,690 |
トヨタ:RAV4はオフロード感が強いSUVです。
RAV4はFFと4WDがあります。前後の出力配分に加えて、左右独立した後輪出力制御できる「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を採用しています。ドライバーの思い描く走行ラインを雪道でも発揮します。
ガソリン車では「SNOW」モードや「マルチテレインセレクト」が、ハイブリッド車では「TRAILモード」があり、より安全に雪道走行が可能です。
【第4位】日産:エクストレイル
駆動方式 | FF フルタイム4WD(スタンバイ式) |
最低地上高(mm) | 185~200 |
車両重量(kg) | 1,750~1,880 |
日産:エクストレイルは、2022 年7月にフルモデルチェンジしたミドルSUVです。
4WD車には電子制御4WDシステム「インテリジェンス4×4」が搭載されており、状況に合わせて3つの走行モードが選択可能です。
深雪路の走行やスタック時には、より駆動力が上がる「LOCK」モードで安定した走りを実現します。
【第3位】スバル:レガシィアウトバック
駆動方式 | フルタイム4WD |
最低地上高(mm) | 213 |
車両重量(kg) | 1,680~1,690 |
第3位はスバル:レガシィアウトバックです。
「フォレスター」や「XV」と比較してサイズが大きいSUVです。スバルのフラッグシップモデルで、高級感のある外観と内装が特徴です。
駆動方式はAWDで、安定した走行が可能です。またボディの剛性を高めたことで振動や騒音が車内に伝わりにくい車体になっています。
【第2位】スバル:XV
出典:XVホームページ
駆動方式 | フルタイム4WD |
最低地上高(mm) | 200 |
車両重量(kg) | 1,410~1,550 |
第2位はスバル:XVです。
スバル:XVはスタイリッシュでコンパクトなクロスオーバーSUVです。
現行モデルで生産終了で、2023年からは「クロストレック」に車名を変更して販売されます。
高度な電子制御4WDシステム「シンメトリカルAWD」を搭載しています。、また路面状況に合わせた走行モードが選べる「X-MODE」があります。
X-MODEで選べる走行モードは2種類で、「滑りやすい路面」と、「雪や泥でタイヤが埋まりやすい路面」で切り替えできます。
また下り坂では「ヒルディセントコントロール」により、車速を一定に維持して走行することが可能です。
【第1位】スバル:フォレスター
出典:フォレスターホームページ
駆動方式 | フルタイム4WD |
最低地上高(mm) | 220 |
車両重量(kg) | 1,570~1,640 |
第1位は絶大な人気と安心感があるスバル:フォレスターです。
スバル:フォレスターは、スバル伝統の4WD技術を結集したSUVです。XVと同様にシンメトリカルAWDとX-MODEを備えており、雪道では他車にはできない強力な走破性を発揮します。
ランキングの1位、2位、3位と全てスバル車ですが、フィレスターの最低地上高が220mmで雪道に適しており、かつ雪道に必要な機能を搭載しているため1位としました。
雪道の安全な走り方のコツ
- 「急」のつく操作はNG
- 下り坂はエンジンブレーキを活用
- 凍結した路面を避ける
- 車間距離を大きくあける
それぞれ詳しく見ていきます。
「急」のつく操作はNG
雪道で「急」な操作は厳禁です。
雪道を安全に走るためには「急な操作をしないこと」です。急アクセル・急ブレーキ・急ハンドルはスリップの原因です。
急な操作をすることで路面とタイヤに強い力が加わりスリップに繋がります。
雪道では普段よりも慎重でゆっくりな操作が大切です。
下り坂はエンジンブレーキを活用
下り坂はフットブレーキではなく、エンジンブレーキを心がけてください。
下り坂で滑る原因の多くは「フットブレーキ」です。フットブレーキをかけた瞬間に車がスーッと滑っていきます。
エンジンブレーキを使うことで路面とタイヤの摩擦が弱く済み、スリップの可能性が低くなります。
凍結した路面を避ける
雪道走行はアスファルトではなく、圧雪路の走行を心がけましょう。
凍結したアスファルトは摩擦係数が低く、乾燥時と比べて5~8倍程度滑りやすいです。
一方、圧雪路の滑りやすさは乾燥路の3.2倍程度です。雪道で路面凍結がある場合は積雪している路面を走行した方が安全です。
車間距離を大きくあける
雪道では制動距離が伸びるため、普段よりも車間距離を大きくあけて走行してください。
坂道では前方の車が滑って後退してくる可能性があるため、特に車間距離を大きくとるよう心がけましょう。
まとめ
今回は雪道に強いSUVを紹介しました。
雪道に強い車を選ぶときは、「4WDで最低地上高が高い車種」がおすすめです。
SUVは雪道や未舗装路などの悪路走破性が高く、キャンプなどのアウトドアも快適に行くことができます。
近年では雪道に強く、かつおしゃれでスタイリッシュなSUVもあるので、自身の好みに合ったSUVをチェックしてみてください。